楽天、2021年12月期第3Q決算 モバイル事業の赤字が響き純利益は-922.62億円で赤字
楽天市場や楽天モバイルでお馴染みの楽天グループ、2021年12月期第3四半期累計(1-9月)決算が発表され売上高は前年同期比15.4%増の1兆2,005億円、純利益は-922.62億円で赤字となりました。
純利益-922.62億円の赤字額は、前年同期の-714.71億円から拡大しています。
また2021年12月期の連結業績予想(2021年1月1日~2021年12月31日)に関しては、現時点で詳細の発表はありませんでした。
今回の赤字、理由として下記のことがあげられます。
- 楽天回線エリアの積極的な拡大に伴い、ネットワーク関連費用(自社基地局設置等)が増加
- そのネットワーク関連費用の増加で、モバイル事業の営業損失は-1,052億円の赤字に
注力しているモバイル事業の費用が赤字の要因とみられます。
楽天は自社回線でカバーしきれていない地域では、他社ネットワークが使えるローミング契約をKDDIとしています。(現時点でローミング提供は2026年3月末としています)
そのローミング料金は、KDDIに対して1GBあたり500円程度と言われていて、毎回発生するその料金も大きな負担となっています。
ローミングエリア(KDDIのパートナー回線)から自社回線切り替えは徐々におこなわれいますが、その費用削減効果は2022年Q2以降を見込んでいるとしています。
なお、発表された楽天グループのIR情報の詳細は下記になっています。
2020年12月期 第3四半期 |
2021年12月期 第3四半期 |
増減率 | |
---|---|---|---|
売上高 | 1,040,190 | 1,200,574 | 15.4% |
営業利益 | -60,519 | -108,362 | - |
経常利益 | -119,599 | -105,563 | - |
純利益 | -72,406 | -92,262 | - |
楽天グループ、7-9月期(3Q)最終は赤字縮小
21年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結最終損益は922億円の赤字(前年同期は714億円の赤字)に赤字幅が拡大した。
楽天グループ株価の動き
楽天グループの株価、2020年12月期本決算をお伝えした時は1,100円台でした。
株価は1月に957円で年初来安値、3月に1,545円で年初来高値を更新しています。
株価の終値を基準とし、過去一年間の最安値と最新の終値を比較すると下記のようになっています。
2021年1月13日終値 | 2021年11月11日終値 | 増減率 |
---|---|---|
960円 | 1,181円 | 23.0% |
楽天の株主優待は楽天キャッシュと楽天トラベルの国内宿泊クーポン
現時点(2021年11月)の楽天株主優待は、オンライン上の電子マネーの楽天キャッシュと楽天トラベルの国内宿泊クーポンになっています。
保有株式数 | 保有期間 | 「楽天キャッシュ」 付与額 |
---|---|---|
100株以上 | 5年未満 | 500円 |
5年以上 | 1,000円 | |
1,000株以上 | 5年未満 | 1,000円 |
5年以上 | 1,500円 | |
5,000株以上 | 5年未満 | 1,500円 |
5年以上 | 2,000円 | |
10,000株以上 | 5年未満 | 2,000円 |
5年以上 | 2,500円 |
赤字の要因であるモバイル事業ですが、ユーザー獲得は順調に進んでいると言われていて、注力されている事業だけに長い目で見守っていきたいところです。
主力の楽天市場は、コロナの「巣ごもり消費」等で増加したユーザーが定着し、国内EC取扱高の伸びに貢献してくれています。今回の決算で不安要素は拭えませんが、今後の展開も注目していきたいですね。