旅行業者のエイチ・アイ・エス(HIS)、2021年10月期3Q決算 純利益は-332.17億円で減収減益
旅行業者でお馴染みのエイチ・アイ・エス、2021年10月期第3四半期決算が発表され売上高は前年同期比77.4%減の907.38億円、純利益は-332.17億円で減収減益となりました。
純利益は前年同期の-166.73億円から-332.17億円となり、2倍近い赤字幅の拡大となりました。
また2021年10月期の連結業績予想(2020年11月1日~2021年10月31日)に関しては、算定が困難であることから未定となっています。
今回の減収減益、理由として下記のことがあげられます。
- 旅行事業がコロナによる影響・制限で国内・海外ともに売上高が大幅に減少
- 営業利益は、主力である旅行事業の減少や、各事業において外出自粛などで-467億円の赤字
旅行事業は主力の海外旅行を中心に業績悪化に歯止めがかからない状況になっています。
観光・旅行などの需要喚起を目的とした政府による「Go To トラベルキャンペーン」は一時停止かつ再開未定となっていて、このような状況も業績悪化の一因と言えるでしょう。
ワクチン接種が進み、感染者の減少が見られれば今後Go To トラベルキャンペーンの再開もあり得るでしょうが、緊急事態宣言が続く中では旅行の自粛もあり、旅行業界は業績回復の兆しが見られない状況が続いています。
エイチ・アイ・エスのグループ従業員数や旅行業の営業拠点数は、ともに前期末比で2割近い減少となっています。
- グループ従業員数 16,323→12,899(-21.0%)
- 旅行業の営業拠点数 430→331(-23.0%)
なお、発表されたエイチ・アイ・エスのIR情報の詳細は下記になっています。
2020年10月期 第3四半期 |
2021年10月期 第3四半期 |
増減率 | |
---|---|---|---|
売上高 | 401,016 | 90,738 | -77.4% |
営業利益 | -16,793 | -46,732 | - |
経常利益 | -16,595 | -46,396 | - |
純利益 | -16,673 | -33,217 | - |
HIS、5-7月期(3Q)最終は赤字縮小
21年10月期第3四半期累計(20年11月-21年7月)の連結最終損益は332億円の赤字(前年同期は166億円の赤字)に赤字幅が拡大した。
エイチ・アイ・エス株価の動き
エイチ・アイ・エスの株価、以前お伝えした時は1,700円台だったところ、6月には2,734円で年初来高値を更新しています。
株価の終値を基準とし、過去一年間の最安値と最新の終値を比較すると下記のようになっています。
2020年10月30日終値 | 2021年9月10日終値 | 増減率 |
---|---|---|
1,401円 | 2,485円 | 77.4% |
HISの株主優待は優待券など
現時点(2021年9月)のHIS株主優待は、優待券や施設入場割引券などになっています。
保有株式数 | 優待内容 | ||
---|---|---|---|
HIS株主優待券 | ハウステンボス入場割引券 | ラグーナテンボス入場割引券 | |
100株以上 | 2,000円分相当 | 500円分相当 | 500円分相当 |
500株以上 | 4,000円分相当 | 500円分相当 | 500円分相当 |
1,000株以上 | 6,000円分相当 | 500円分相当 | 500円分相当 |
最近のエイチ・アイ・エスのニュースと言えば、324億円で本社の売却手続きが完了、と報道がありました。
コロナにより業績悪化を克服するために、コスト削減や保有資産の売却をおこなっているエイチ・アイ・エス、業績回復までは険しい道のりが続きますが、どのような回復劇を見せてくれるのか今後も注目していきたいですね。