エイチ・アイ・エス(HIS)、2021年10月期本決算 純利益は-500.5億円で過去最大の赤字
旅行業者のエイチ・アイ・エス、2021年10月期の連結業績(2020年11月-2021年10月)が発表され売上高は前年同期比-72.4%の-1,185億円、純利益は-500.5億円となりました。
純利益の-500.5億円は過去最大の赤字となりました。
また2022年10月期の連結業績予想(2021年11月1日~2022年10月31日)に関しては、算定が困難なため未定となっています。
今回の赤字、理由として下記のことがあげられます。
- 海外旅行の比重が高いエイチ・アイ・エス、コロナの影響で2021年度も国際移動の制約が続いた
- 子会社が政府の観光支援策「Go Toトラベル」の給付金を不正受給した問題
HIS子会社の不正 最大約11億円余の給付申請 刑事告訴も視野へ
旅行大手のエイチ・アイ・エスの子会社が、観光需要の喚起策、「Go Toトラベル」の給付金を不正に受給していた問題で、子会社が不正に給付申請するなどした額は、最大で11億4000万円余りに上ることが分かり、観光庁は刑事告訴も視野に調査を進めています。
なお、発表されたエイチ・アイ・エスのIR情報の詳細は下記になっています。
2021年2月期 第3四半期 |
2022年2月期 第3四半期 |
増減率 | |
---|---|---|---|
売上高 | 430,284 | 118,563 | -72.4% |
営業利益 | -31,129 | -64,058 | - |
経常利益 | -31,283 | -63,299 | - |
純利益 | -25,037 | -50,050 | - |
HIS、前期最終は赤字拡大も上振れ着地・8-10月期(4Q)最終は赤字拡大、今期業績は非開示
21年10月期の連結最終損益は500億円の赤字(前の期は250億円の赤字)に赤字幅が拡大したが、従来予想の530億円の赤字を上回って着地。
エイチ・アイ・エス株価の動き
エイチ・アイ・エスの株価、以前お伝えした3Q決算時は2,400円台でした。年初来安値は1月の1,461円、年初来高値は9月の3,030円となっています。
株価の終値を基準とし、過去一年間の最安値と最新の終値を比較すると下記のようになっています。
2021年1月5日終値 | 2021年12月28日終値 | 増減率 |
---|---|---|
1,483円 | 1,895円 | 27.8% |
HISの株主優待は優待券など
現時点(2021年12月)のHIS株主優待は、優待券や施設入場割引券などになっています。
保有株式数 | 優待内容 | ||
---|---|---|---|
HIS株主優待券 | ハウステンボス入場割引券 | ラグーナテンボス入場割引券 | |
100株以上 | 2,000円分相当 | 500円分相当 | 500円分相当 |
500株以上 | 4,000円分相当 | 500円分相当 | 500円分相当 |
1,000株以上 | 6,000円分相当 | 500円分相当 | 500円分相当 |
大きく報道されている子会社による給付金の不正受給、観光庁は刑事告訴も視野に調査を進めているようで、結果によってはエイチ・アイ・エスの業績に大きな影響を与えそうです。今後の展開も注目していきたいですね。