NTTドコモ、TOB(株式公開買い付け)報道で株価ストップ高

NTTドコモ、TOB(株式公開買い付け)報道で株価ストップ高

今朝「NTTがNTTドコモを完全子会社化する検討に入った、株式をTOB(株式公開買い付け)で取得」との報道があり、そのことが投資家に材料視されたドコモ株は急騰し1株3,213円前日比+438円(15.78%)のストップ高となりました。

終値 前日比 増減率
NTTドコモ 3,213円 +438円 15.78%

午後にはNTTとドコモは共同記者会見をおこない、ドコモを完全子会社化すると正式発表しました。

NTT、ドコモ完全子会社化を発表 「携帯値下げも検討」

NTTは29日、上場子会社のNTTドコモを完全子会社化すると正式発表した。30日からTOB(株式公開買い付け)を行い、他の株主から3割強の株式を取得する。取得価格は1株3900円で、28日終値(2775円)に4割のプレミアム(上乗せ幅)をつける。

出典:日本経済新聞

TOBの中身に取得価格は1株3,900円とあり、現在3,213円でストップ高となっているドコモ株は、明日も上昇することがうかがえます。

NTTドコモ株チャート

TOBが無事に完了した場合、ドコモは上場廃止の流れになります。1998年10月22日上場したドコモ、上場廃止となれば20年弱の歴史に幕を閉じることになります。

今回のTOBによる株価急騰でドコモ株主は利益を得られる一方で、実際に上場廃止になった場合、高配当で知られていたドコモ株からの配当がなくなってしまうのは多少残念な気もします。

携帯料金の値下げには拍車がかかる

ドコモへのTOBをおこなったNTT、このNTTの大株主には政府(財務大臣)が入っていて、その所有率は約3割にも上ります。
政府が大株主であるNTTによりドコモは完全子会社化されるということで、政府が揚げる「携帯電話の通信料の値下げ」に拍車がかかるとの見方があります。

実際、本日の共同記者会見でも「値下げも検討している」との発言もありました。

競合他社の株価は軒並み下落

TOB報道や今後の携帯通信料値下げの推測などから、ライバル社であるKDDI、ソフトバンク、楽天の株価は軒並み急落しています。

ドコモが値下げに踏み切った場合、ライバル社も値下げに追従せざるを得ない状況になり、そうなった場合は当然収益の低下が想定されます。そんな推測からライバル社の株価は急落したと考えられます。

中でもソフトバンクは一時1,168円まで下落し年初来安値を更新しました。

終値 前日比 増減率
KDDI 2,665円 -115円 -4.14%
ソフトバンク 1,191円 -51.5円 -4.14%
楽天 1,122円 -33円 -2.86%

今回のTOB実施はドコモ株主、ドコモユーザーにとっては吉報だったかもしれませんが、その裏で株価を下落させたライバル社の株主には複雑な内容ですね。

明日以降もTOB取得価格である1株3,900円まで上昇するであろうドコモ株、ライバル社の株価は下げ止まることなく更なる下落を続けるのか、今後の株価も注視していきたいですね。