やった後悔よりやらなかった後悔の方が大きい
「やった後悔よりやらなかった後悔の方が大きい」、このフレーズ一度は耳にしたことがあると思います。今回はこの「やらなかった後悔の方が大きい」についてお話ししたいと思います。
この「やらなかった後悔の方が大きい」で思い出すエピソードがあります。
90歳のおばあちゃんが、60歳の頃にバイオリンを習おうと思ったけれど「今さら新しいことに挑戦するのって…」と諦めてしまいバイオリンを習うことなく時間が過ぎてしまいました。
このおばあちゃん、バイオリンを諦めてしまった当時を振り返り「でも、あの時バイオリンを始めていれば30年もできたのに…」と、バイオリンを習わなかったことを深く後悔したそうです。
このエピソードからは、「やらなかった後悔の大きさ」をうかがい知ることができます。
また、どんな事でも遅いことはなく、「やりたい!」と思った「今」が自分にとって大事なタイミングであり、行動を起こす重要性を気づかせてくれます。
このおばあちゃん、60歳の時に「今さら新しいことに…」と自身の年齢を理由にためらい、諦めてしまったのですが、この年齢問題を冷静に考えてみると、今現在のあなたは、あなたの残りの人生の中で一番若いタイミングなのです。
先ほどもお伝えした通り、「やりたい!」と思った「今」が自分にとって残りの人生で一番若く、大事なタイミングなのです。
200万部を超えるベストセラー『置かれた場所で咲きなさい』の著者である渡辺和子さんは、この本で次の言葉を記しています。
渡辺和子さんの名言
毎日を「私の一番若い日」として輝いて生きる
歳を取ることは悲しいことではない。新しい何かにチャレンジし、いつも輝いていよう。
出典:置かれた場所で咲きなさい
そして「やった後悔よりやらなかった後悔の方が大きい」ですが、作家の林真理子さんも興味深い名言をしています。
林真理子さんの名言
したことの後悔は、日に日に小さくすることが出来る。していないことの後悔は、日に日に大きくなる。
出典:婦人公論 2002年7月22日号
この名言からも、「やらなかった後悔の方が大きい」ということを考えさせられます。
死を前にすると、やらなかった後悔の方が多い
終末期患者の診療をおこなう医師である大津秀一さんという方がいます。
大津さんは、1,000人を超える末期患者と正面から向き合い、その死を見届け、それぞれの患者が吐露した“やり残したこと”を集約し、2009年に「死ぬときに後悔すること25」という本を出版しました。
この本は韓国でも出版され、日韓で各30万部を超えるベストセラーとなりました。
本の中で、人生の最期にどのようなことに後悔するのか?、そのことが25の後悔として記されています。
この25の後悔は、以下のような内容でした。
死ぬときに後悔する25のこと
- 健康を大切にしなかったこと
- たばこを止めなかったこと
- 生前の意思を示さなかったこと
- 治療の意味を見失ってしまったこと
- 自分のやりたいことをやらなかったこと
- 夢を叶えられなかったこと
- 悪事に手を染めたこと
- 感情に振り回された一生を過ごしたこと
- 他人に優しくしなかったこと
- 自分が一番と信じて疑わなかったこと
- 遺産をどうするかを決めなかったこと
- 自分の葬儀を考えなかったこと
- 故郷に帰らなかったこと
- 美味しいものを食べておかなかったこと
- 仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと
- 行きたい場所に旅行しなかったこと
- 会いたい人に会っておかなかったこと
- 記憶に残る恋愛をしなかったこと
- 結婚をしなかったこと
- 子供を育てなかったこと
- 子供を結婚させなかったこと
- 自分の生きた証しを残さなかったこと
- 生と死の問題を乗り越えられなかったこと
- 神仏の教えを知らなかったこと
- 愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと
出典:「死ぬときに後悔すること25」大津秀一著
この25の後悔のうち、やらなかった後悔は18もあり、やらずに後悔していることが圧倒的に多く、それに比べてやって後悔していることは少ないことに気づきます。
死を前にして、"やったこと"よりも"やらなかったこと"に人は後悔する傾向があるようですね。
この死ぬときの後悔から、自分がやりたいことは後悔しないためにもやっておいた方がいいということが分かります。
「後悔先に立たず」という格言がありますが、人は分かっていても「あの時、ああすれば良かった…」と、後々自分の行動に対して悔やんでしまうものです。より良い人生を送るために「やらなかった後悔」を少なくしたいものですね。